ラプソディー・イン・ブルー

前田憲男

ジョージ・ガーシュウィンの楽曲ばかりを集めた一枚。といっても、スタンダード・ナンバーをいっちょうやってみようかという感じではない。徹底的に編曲、構築がなされた、いわば“原作・ガーシュウィン、演出・前田憲男”的世界が充満するのだ。合唱や多重録音を用いたタイトル曲を聴くと、壮大な建築物を見上げているような気分になる。西条孝之介のサックスとエレクトリック・チェンバロ(だろうか)がチェイスする「ス・ワンダフル」も凄い。(1979年/東芝EMI)